WILD THINGS
WILD MY THINGS 私のワイルドなシングス。 Vol.19

MODEL

SAKI SHIBATA

WILD MY THINGS Vol.19

好奇心からはじめた“畑ライフ”は
自分を見つめ直す大切な時間
時代のキーマンとワイルドシングスがクロスオーバーする連載企画「WILD MY THINGS」。第19回は“しばさき”の愛称で幅広い年齢層の女性から支持される、モデルの柴田紗希さんが登場。
生活感のあるおしゃれ
――まず、最近のファッションの好みから聞かせていただきましょうか。

柴田:最近はフレンチな感じが好きです。「そこまでおしゃれしてませんよ〜」って顔でパリを適当に歩いているような女性というか(笑)。そういう人たちって身につけてる洋服は結構王道なものだったりして、生活感もある。なのにおしゃれに見えるんですよね。今日はタートルネックのセーターとデニムを合わせているんですが、これも誰でも定番的に持っているようなもの。けれど少し派手でパキッとした赤を選んで差し色になるようにしていたりとか、ヘアも、セットした感じがしないというか、ちょっとぐちゃっとしていて、洒落込んではいないけど、実はヘアゴムとニットで色合わせをしている、とか。
――なるほど。さりげないおしゃれというか。

柴田:そうそう。肩の力は抜けていながら、実はこだわりがあるよ、みたいなスタイルが好きです。古着もよく買いますね。
お気に入りのミニバッグはMALION VINTAGEのもの。
レースアップシューズとアームウォーマーはミリタリーのものをチョイスし、
WILD THINGSのバックグラウンドとリンクさせています。
――古着はどういうものを買うんですか?

柴田:それこそ今日穿いているようなデニムだったり、あとはトートバッグ、エコバッグが好きで。大小いろいろ、よく買っています。今日持っている小さい花柄のものは、ヴィンテージの生地で作られたもので、そういう一点モノにも惹かれてしまいますね。
――スタイルの参考にしているのは、海外の人たちなんですね。

柴田:そうですね。普段からPinterestとかで、海外の人の生活感のある写真を見ています。“頑張ってないお洒落”というのが長年のテーマで、家にあるものをポンポンポンって合わせました、みたいな、当たり前に毎日こういう格好をしてますって雰囲気のファッションが好きなんです。なので、頭の中に結構いろんな、あの国のこの人とかこの国のあの人とか、そういうのがあって、その引き出しを開いて洋服を決めている感じはあります。
カフェでリラックスするときはカジュアルな装いで。
おなかに抱えている黄色いミニバッグもお気に入りの古着。
ポケットが大きいから、バッグは小さめでも大丈夫◎。
あれこれ入れられるし、軽くて暖かいから旅行にも最適ですね。
――そういうのがお好みでしたら、確かに古着とかよく馴染みますよね。

柴田:はい、古着はずっと長いこと着ています。必ずどこかに(古着を)1点取り入れたいんですよね。パッと見は結構シンプルというか、なんてことのない感じでも、なるべく自分が好きで、こだわりのあるモノを身につけたいと思っています。
柴田紗希と“しばさきちゃん”
――最近はどういったものにハマっていますか?

柴田:なんといっても畑です。畑、めっちゃ幸せなんですよね(笑)。コロナ禍になってから始めて、もともと自然はすごく好きだったんですが、もう何年も住まいは東京で、コロナ禍以前から、拠点は東京にしつつ、あちこちを転々として東京にあまりいない、みたいな生活をしていました。でも、コロナ禍で自粛を強いられるようになって初めて「なんだか東京にずっといるな〜」って感覚になって、そのときに、やっぱり自然がないと自分が保てない感じがしたんです。そんな中で、友人たちが畑をやっていることを知り「わたしもやりたい!」と。それからはもう週1ぐらいで横浜の方の自分の畑に行くようになりましたね。今はあきる野に移したので、そこまで頻繁には行けていませんが……。
――どういった楽しさがあるのか、やったことない人に説明するとしたら?

柴田:サウナみたいな感じ、と答えることが多いです。サウナで言うところの“ととのう”感じが畑にもあって。畑作業って結構身体を使うんですけど、終わってみると、疲れてるというよりは、充実感に身を包まれている感じがあるなと思っていて、それがすごく幸せなんですよね。料理はあまり得意ではないんですけど(笑)、収穫したものはちゃんと自分で料理をしたくて、簡単な調理で、素材そのままの味を楽しんでいます。
――いいですね。

柴田:野菜を元気に育てるためにいろんな細かな作業があって、どれもすごく地味なんですけど、そんな地味な作業でも、やっていると優しい気持ちになれるんですよね。心が洗われて、自分を取り戻せる感覚もあります。
――なるほど。一方の東京は、窮屈に感じることも多かったと。

柴田:はい、実は多くて(笑)。でも、畑をやるようになって、やっぱり東京も面白いところだなと思えるようになりましたよ。
――自分の中に2つの軸があるからこそ、ですか。

柴田:そうですね。やっぱり(東京は)刺激的だし、いろんなことに熱心に取り組んでいる人たちもいる。畑に出会ってからは、そういうことを改めて知ることができたかもしれない。これまで東京だけを見て東京で過ごしてたから少し窮屈に感じていたところがあったかもしれないけど、むしろそれって自分の気の持ちようだったんですよね。自分のなかに閉じこもっちゃってたな、って。そうやって見失っていた自分の軸や芯を、自然と触れ合い、野菜を育てることで、少しずつ取り戻せていってる感じです。
――閉じこもっていた、というと?

柴田:もともとの性格として、こうしたい、ああしたい、とやる気に溢れてて、好奇心がめちゃめちゃあるほうだと思っていたんですけど、地元を出て上京してからは、ただただ全部が近くにありすぎるような気持ちになってしまって。特別感がない、というか。いろんなことに、少し冷めてしまっていたんですよね。
――なるほど。わかるような気がします。

柴田:もちろん東京での生活もすごく好きだし、楽しいのですが、わたしの中には柴田紗希と“しばさきちゃん”がいて、“しばさきちゃん”が占める割合が大きくなりすぎていた気がして。それはそれで好きな自分ですが、コロナ禍になって自粛生活が始まって、畑に触れるようになって自分自身と向き合う時間ができて、東京に来る前の好奇心旺盛だった自分を思い出したんです。お仕事だけでなく、もっと自分のやりたいことにフォーカスしていきたいなって、今では思っています。
――自分のやりたいこと、ですか。

柴田:はい。海外で生活したいなって思っています。
――なるほど、それは結構昔からそう思っていたんですか?

柴田:ずっとですね。両親にも最近ちらっと話したら「ずっと言ってたもんね」って言われました(笑)。「あ、わたし、言ってたんだ」って。年齢を重ねたからこそできることってたくさんありますから、これから先の自分がどのようになっていくか、すごく楽しみです。
PROFILE
柴田紗希
モデル
“しばさき”の愛称で幅広い年齢層の女性から親しまれる愛知県出身のモデル。ファッションモデルとして人気女性ファッション誌「mer」で12ヶ月連続表紙を飾る。多数の商品プロデュースも行い雑誌以外にもTVCMなども出演し幅広く活動中。
INSTAGRAM : @shibasaaki
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