WILD THINGS
Dec.19.2021

WOMEN’S BUYERS SELECT

Dec.19.2021

ウィメンズバイヤーが
WILD THINGSを
選ぶ理由
by
TOMORROWLAND
山野邉 彩美

洋服に対するマインドの変化――
ワイルドシングスとなら深い取り組みができそう

――トゥモローランドがワイルドシングスをセレクトしたのは2021 FALL & WINTERシーズンが初めてとなります。

「そうですね。ワイルドシングスのようなアウトドアやミリタリーを本来ルーツとしたブランド自体をセレクトしたことはありませんでした。ただコロナ禍を皮切りに生活様式が変わったり、お客様も私達も洋服に対するマインドが変わってきています。そのなかで洋服にも多面性をキーワードに、テクニカルな素材は実用性も兼ね備えており、自然と目が向きました。」

――アウトドアルーツのブランドのなかで、ワイルドシングスを選んだ理由を教えていただけますか?

「私達にとってアウトドアウェアのブランドの取り扱い自体が新鮮で、様々なブランドに触れたなかでも、ワイルドシングスは都会的なデザインの幅も多く、女性にも着こなしやすいと感じるポイントが多くあったからです。トゥモローランドはシーズンのテーマに沿って、トータルコーディネートを提案します。ワイルドシングスとなら、そうしたテーマにもマッチする、テクニカルな素材を使ったアイテムを一緒に作れるのではと感じました。」

WILDTHINGS for TOMORROWLAND

インラインをベースに
より街でスタイリングしやすくアレンジ

――今回の別注はインラインのアイテムがベースとなっていますが、どれもトゥモローランドのフィルターを通したコンテンポラリーな仕上がりとなっています。それぞれのアイテムについて、解説していただけますか?

「まずは冬らしい定番として、ボアフリースを用意したいと考えていました。ただボアフリースって着るとごわついたり、コーディネートも簡単そうで意外と難しい。その点、ワイルドシングスのボアコートは裏地にメッシュライナーが使われていて、着心地もよくて、毛玉の発生・付着を防いでくれる。これはいいなと思いました。」

――インラインとはまた違った雰囲気で、すっきりした印象に見えます。

「フロントにボアと同色のパイピングを加え、ファスナー式にしたためかもしれません。顔周りをすっきりとした印象に、ミニマルなルックスに仕上げたかったんです。」

WILDTHINGS for TOMORROWLAND

――丸みのあるバルーンライクな袖のデザインはそのままで、すっきりしたフロントとのコントラストが映えますね。

「そうですよね。あと裾にファスナーのスリットを入れてシルエットをアレンジできたり、ファスナーにあえて長めの引き手を加えて、スタイリングにアクセントをプラスできるようにアレンジしています。」

――加えて同じボアフリースを使ってスヌードも作りました。こちらはウィメンズのインラインにはなく、トゥモローランドだけのアイテムですね。

「フリースと揃えてもかわいいですし、アウトドアシーンでも活躍してくれると思います。」

――次はキルティングコートを見ていきましょう。

「トゥモローランドでは今シーズン、足元にロングブーツやジョッキーブーツ、ハンティングなどをキーワードにしていて、タイムレスでスタンダードなキルティングコートを別注しました。着丈をやや長めに、ネックを高く、フードを小ぶりにしています。ワイルドシングスのキルティングコートは、着たときの立体的なシルエットが特徴的ですが、トゥモローランドらしいコンテンポラリーなバランスを加えました。袖口にスナップボタンを加えて、ボリュームをアレンジすることもできますし、とてもいいバランスに仕上がっていると思います。」

ウィメンズバイヤーがWILD THINGSを選ぶ理由

――ワイルドシングスのキルティングコートは、ミリタリールーツのひょうたんキルトですが女性にはどう映るのでしょうか?

「最近ではウィメンズでも丸みのあるキルティングが増えていて、まったく違和感はありません。ひょうたんキルトは古着好きに人気があるのですが、状態の良し悪しがあります。そのためこういったカタチで提案いただけるのは嬉しいとのお声もありました。こちらの別注もかなり反響があります。」

――ちなみにボアフリース、キルティングコートもトープ系の色を揃えています。マニッシュなカラーだと思いますが、選んだ理由はなぜですか?

「個人的にトープのような土っぽい色が好きというのもあります(笑)。意外とトープは合わせる服、靴やアクセとも、いろいろと合わせやすい。引いて見たときのバランスがすごくいい色です。表情も映えるし、着こなしやすいという点で、各アイテムにラインナップしています。」

――では最後のモンスターパーカ。ウィメンズのインラインにはショートモンスターパーカがありますが、それとはまた違った雰囲気ですよね。

「はい。トゥモローランド別注では、メンズサイズのモンスターパーカをリサイズして作ったからだと思います。」

ウィメンズバイヤーがWILD THINGSを選ぶ理由

アレンジするだけはでなく
リスペクトも大事なこと

――それはオーセンティックなムードを追求したからですか?

「やはりワイルドシングスのモンスターパーカはブランドの代名詞とも言えるアイテムだと思います。男性ほどの認知度がないのですが、最近では着てみたいという女性も増えてきていますし、私達としてはぜひトライしてほしいアイテムです。モンスターパーカらしいミリタリームード、存在感を活かしながら、女性でも着やすいバランスに仕上げています。」

――なるほど、そうした意図があったんですね。

「モンスターパーカはファッションとしても人気ですが、着ていて機能的でとても安心感のあるアウターだと思います。プリマロフトの温かさだったり、細部のこだわりの魅力も女性に知ってもらいたいです。また極力、サイレントな佇まいを心掛けブランドロゴを主張しすぎないよう、ネーム位置もこだわりました。そして2020AWシーズンのメンズで使用していたトープカラーを特別に使わせてもらいました。」

――現在のトレンドに合わせて、もっとワイドなシルエットにアレンジ、といったアイデアはなかったのですか?

「それはありませんでした。まずは初めてのコラボレーション企画なので、シルエットを変える考えはなかったです。まずはブランドの良さを知ってもらう必要があるかなと思ったからです。」

――素敵です。最後にトゥモローランドというと、お店としてはエレガンス、コンテンポラリーなカラーだと思いますが、ワイルドシングスに対するお客様の反応はいかがですか?

「とても反応が良いです。オリジナルのマカフィーを好きでいてくださるお客様だったり、カジュアル好きな人が手に取ってくださっているようです。また全然知らなかった人でも、うちでは珍しいアウトドアな雰囲気が目新しく映り、フックになる人もいるようです。ワイルドシングスを好きだった方が、今回のコラボレーションをきっかけにトゥモローランドを知ってくれた、ということもありました。」

――そうしたパターンもあったんですね。

「ファッションだけじゃなくて、アウトドア、ミリタリー好きな人ともつながりが増えている実感がありますし、今回のコラボレーションを通していいリアクションが起きているなと思いました。」

Profile
AYAMI YAMANOBE トゥモローランド バイヤー/
山野邉 彩美

ショップスタッフからキャリアをスタートし、ウィメンズバイヤーとして活躍。バイイングだけでなくブランドとの別注アイテムの企画も担当。まさにファッションの今を知り尽くした存在だ。アウトドア、キャンプ好きであり、趣味の陶芸をする際にも、アウトドアウェアを重宝しているそう。

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