WILD THINGS

vol.6 後編
近澤 一雅
Kazumasa Chikazawa
スタイリスト
――必ず意味のある、機能を持ったギアに惹かれ、アウトドアに夢中になったという近澤さん。普段から日常的にアウトドアギアを使うことが多い?
近澤:そうですね。日常的に使うようになったモノだと、肌に近いベースレイヤーとソックスは手放せなくなりました。速乾性と伸縮性に優れる化繊、ウール素材のモノを日常的に着ています。たまに昔のようにコットンの服を着たくなることもあるけど、とくに夏場は着てられない……。昔はデニムが大好きだったんだけど、もう厳しい体になってしまいました(笑)。
――最近の猛暑はとくに厳しいよね?
近澤:きついですね。最近はワイルドシングスのベーシックポケTのように、ナチュラルな素材感で機能素材を使っているモノも増えてきたし、体感でも快適さがだいぶ違うんですよね。使ったことがない人は、ぜひ一度試した方がいいと思います。
――ソックスはどういうモノを履いてるの?
近澤:僕は年間を通じてウールソックスです。夏だと暑いようなイメージがある人もいるけど、吸水速乾、断熱性に優れているので、むしろ快適なんです。ウールは天然の機能素材ですからね。僕は毎年、ウールソックスを1ダース購入して穿き倒しています。アウトドア好きな人なら、よく口を揃えることですが、まずは肌に近いモノ、ギアから試してみるのはオススメですね。
――キャンプで、これは必ず持って行くというモノはある?
近澤:テント以外でいえば、絶対に持って行くのは防水シェルですね。縫製のステッチにシームテープが張ってある、防水透湿タイプです。いつ雨に降られるかわからないし、使わないとしても、お守り的に持っている安心感があります。なので、個人的にはなるべくコンパクトに携帯しやすい、薄いタイプが好みですね。

あとはオールウェザーブランケット。もともとは防寒用のブランケットなんですが、レジャーシートとして、また断熱性があるのでテント下のグランドマット、テント内のインナーマットとしても使えます。あとはタープとしても使えますね。洗えるからホント万能な使い方ができて、持っておくといろいろ役立ちますね。
――ところで近澤さんは、キャンプ飯は凝るタイプ?
近澤:いえ、ご飯は凝りません。荷物が身軽になるし、ゴミが出ない方がラクなので、自分ではあまりやりたくないんです(笑)。僕みたいなタイプだと、バーナーはソトのレギュレーターストーブがオススメですね。ビギナーにもいいのですが、コンパクトなのに火力とゴトクがしっかりしていて、湯沸かしから調理もこれ一つでできる。あと家庭用のCB缶が使えるのもメリット。コンビニでも簡単に購入できるし、汎用性がいいんですよね。
――近澤さんのようなエキスパートから、ビギナーにも使いやすいってすごいね! キャンプシーンで、近澤さんなりの裏技やテクってあったりする?
近澤:裏技とは違うかもしれませんが、日本で使うなら、キャンプ用品などは日本のメーカー、ブランドを使うと長持ちする傾向にあると思います。というのも日本は湿気が多くて、海外製品よりも湿気に強かったり、テントは窓が多く付いていたりする。これは逆も同じことが言えて、海外だと海外メーカーの作りが、理に適っている場合が多いですね。いわば環境に合った作りをしているわけです。

そういえば裏技っぽいのだと、経験上これはオススメ。キャンプで汚れたペグやガイラインは、撤収するときに汚れを落とすのではなく、帰宅してから洗った方がラクです。泥汚れなどは、乾燥してから洗った方がすっきりと落としやすい。常識的には洗って帰った方がいいと言われるけど、長く放置しなければ錆、カビの心配もそれほどありませんから。とくに撤収時に雨が降っていたり、メンテナンスが大変なときには、ペグ、ガイラインをごみ袋にひとまとめに放り込んで帰る方が、ずっとラクですね。
――なるほど、そうした裏技を見つけるのも、アウトドアの楽しさかもね。
近澤:そうですね。アウトドアで過ごしたりギアを使ったりして、学べる、何かやり方を発見できることが僕は楽しい。もちろん普段見ないような風景に出会う楽しさもあるけど、フィールドや道具を通じて、学びや発見をする喜びが大いにあるんですよね。とくに男の子はそうなんじゃないのかな。
Profile
近澤 一雅/Kazumasa Chikazawa
1977年三重県出身。アウトドアに関するファッション誌や広告のスタイリングで引っ張りだこ。アウトドア以外のメーカーやブランドにおける、アウトドア関連の商品開発、コンサルティングでも活躍している。大の虎党で、好きな言葉は「代打八木」。
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